離婚するのが大変ってどういうこと?
「結婚するより離婚する方が大変」と言われているのを耳にしたことはありませんか?
夫婦それぞれが抱えている問題が複雑に絡みあう中で,慰謝料・親権・養育費・財産分与等,お互いが納得できる解決策を見出すのはとても大変なことです。当事務所では,離婚問題に直面した方が,少しでも明るい未来へ歩みだす再スタートへのお手伝いができればと考えております。
離婚のときに決めておいた方が良いこと
ただ離婚届を出せばいいというわけではありません。もちろん,離婚届を出せば離婚はできますが,それでは将来困ることになってしまいます。離婚の際に、決めておいた方が良いことには、以下のものが挙げられます。
慰謝料
夫婦のどちらかが不倫をした,暴力をふるっていたなど,離婚にいたる原因を作ったために離婚することになった場合,原因を作った側に対して,そうでない側は慰謝料を請求することができます。
財産分与
夫婦が結婚している間に築いた財産は,離婚する際に清算をすることになります。これを財産分与といいます。専業主婦(主夫)など,夫婦の一方が無収入の場合で,本人名義の財産がない場合でも,財産分与をすることができます。
親権
未成年者の子どもを保護する等,子どもに対する親としての権利を親権といいます。結婚している場合は,父母2人ともが親権者となりますが,父母が離婚する際には,親権者を父か母のどちらかに決めなくてはなりません。
養育費
夫婦の間に子どもがいる場合,子どもが独立するまで,子どもの養育を担当する側は,そうでない側に対して,子どもを育てるための費用として,養育費を請求することができます。養育費は,「子ども1人に対し,ひと月あたり,いくら支払う」と定めることが一般的です。
面会交流
離婚によって,親権者を父か母の一方に定めた場合,子どもの親権を持っていない親も,子どもに会ったり手紙のやりとりをするなど,子どもとの交流を続けることができます。月に何回会う,何通手紙を出す,といったルールを事前に決めておくことで,トラブルを回避することができます。
年金分割
結婚している間に支払った厚生年金や共済年金の保険料は,夫婦が共同して支払ったものとして,分割するという制度です。あくまで結婚している期間内に支払済みの保険料を分割するという制度なので,例えば「夫(妻)の年金の半分がもらえる」という制度ではないことに注意が必要です。
離婚するためには4つの手続があります
それでは,離婚するためにはどのような手続きをとれば良いのでしょうか。話し合いで離婚ができない場合はどうしたら良いのでしょうか。以下では離婚するための4つの手続きをご説明します。
協議離婚
夫と妻の両者の話し合いによって離婚することを決め,離婚届を役所に提出するという,もっとも一般的な離婚方法です。夫婦ふたりが離婚に納得している場合には,よけいな時間や手間がかかりませんが,離婚することを急いでしまい,慰謝料や財産分与,養育費などの取り決めが充分でないことがよく見られますので,注意が必要です。
調停離婚
夫婦のどちらかが離婚に納得しない場合や,慰謝料や財産分与などの取り決めがうまくできない場合,家庭裁判所で離婚の調停(話し合い)を行います。調停の場では,男女1名ずつの調停委員という第3者を交えるので,夫婦2人で話し合いをするよりも,感情的にならずに話し合いを進めることができます。ここで離婚について納得できれば,離婚することができます。これを調停離婚といいます。慰謝料や財産分与などについても,裁判所が発行する文書で取りきめがされますので,万一取りきめどおりの支払いがなされない場合でも安心できます。しかし,裁判所で話し合いをするものの,あくまで「話し合い」なので,離婚について夫婦の一方が納得しない場合には,離婚することはできません。
審判離婚
調停では離婚に納得しなかったものの,さまざまな事情から,離婚した方が夫婦双方のメリットになると判断される場合,裁判官が決定する離婚です。しかし,実際にはあまり審判離婚がなされるケースはありません。
裁判離婚
調停での離婚ができなかった場合で,どうしても離婚したいという時には,裁判をすることになります。夫婦がそれぞれ証拠を出し合い,裁判所が離婚や財産分与などの金額を認めれば,夫婦のどちらかが離婚に納得していなくても,強制的に離婚することができます。
手続の流れ
まずは夫婦で離婚についての話し合いがなされ,離婚についての納得ができない場合に調停を行うことが一般的です。調停でも離婚が成立しなかった場合には、裁判に移行することになりますが、調停を行わないで,いきなり裁判をすることは法律上,認められていません。