子どもが児童相談所に一時保護されました②

Aさん,Bさん夫婦の子どもである小学3年生のCくんが,学校から帰宅せず、そのまま児童相談所に「一時保護」されました。
それではCくんは,現在,どのようにして過ごしているのでしょうか。

一時保護中の子どもの過ごし方

一時保護された子どもたちは,どのように過ごしているのでしょうか。
一時保護所では、2歳から17歳までの男女が,同じ場所で生活をしています(2歳までの子どもは乳児院で生活をします)。
子どもたちが保護される理由もそれぞれで,親からの虐待の疑いで保護された子だけではなく,非行によって警察に保護された子や,家出をした子などもいます。

子どもたちは基本的に集団生活を送ります。子どもたちのかかわりの中で,リーダーシップを発揮したり,年長の子が年少の子を可愛がるなど,お互いに良い影響を与え合うこともありますが,子ども同士でのいじめが発生するなどの問題も無視できないものがあります。

一時保護所では,子どもたちは原則として学校には行けず,また,外出も制限されています。
一時保護所では,児童指導員,保育士,看護師,保健師,心理士,学習指導員などが,子どもの身の回りの世話や日常的な援助を行っています。
職員は,365日,24時間体制で業務を行っていますが,どうしても夜間などは職員の体制が手薄になる傾向があり,非常勤の学生アルバイトに頼ることもあるようです。
また,子どもたちの居室も,残念ながら十分なスペースが確保されているとは言い難く,個室がない一時保護所も多くみられるなどの問題があります。

一時保護所において,人手不足や施設の問題などの問題は多くあることは事実です。
しかし,私見ではありますが,児童指導員を始めとする職員の方は,みな,子どもたちのために熱意をもって,子どもたちと関わってくれていると思っています。

1日の過ごし方

一時保護所では,子どもはおおよそ以下のようなスケジュールで行動します。
7時ころ 起床
7時半ころ 朝食
9時半ころから12時ころまで 学習(それぞれの学習の到達度に合わせたプリント学習)
12時ころ 昼食
13時ころ 自由時間/運動/昼寝など
15時ころ おやつ
18時ころ 夕食
19時ころ 入浴
20時 (幼児)就寝
21時 (学齢児)就寝
子どもたちは学校に通えない分,午前中は学習指導員や学生ボランティアなどと一緒に勉強を行います。
保護前には学校に満足に通っていなかったりする子もいるため,一時保護所にいるときの方が子どもの学力が伸びることもあります。

行動観察

一時保護期間中,子どもに対し,その性格や行動の傾向を見たり,身体検査や発達検査,心理判定がなされることが多くあります。
例えば身支度や食事,排せつなどの基本的な生活習慣が年齢相応にできているか,年齢相応の学習ができているか,発達や情緒に遅れや偏りがないかなどを,集団生活の中や,心理検査,医学検査などから見ていきます。
これらの検査を経て,それぞれの子どもと,その家族が抱える問題を明らかにしていくのです。

次回は,子どもが一時保護された場合に採りうる法的手続きについてご説明いたします。

以上

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