学校で事故が起こった場合

中学生のA君は,休み時間に友だちのB君とふざけていたら転倒し,骨折し,入院を余儀なくされました。
このような場合,A君は治療費などを誰かに請求することができるでしょうか。

災害給付金の請求

授業中や休憩中に学校内で起きた事故によって怪我などをした場合には,日本スポーツ振興センターから,災害給付金の支給を受けることができます。これにより、治療費の一部や障害が残った場合などの見舞金などが支払われます。

具体的にみると,仮にA君が保険診療の範囲内で治療を受けた場合,治療費総額の10分の4の支払いを受けることができます。ここでいう「治療費総額」とは,実際に健康保険を使って支払ったいわゆる「3割負担」の治療費ではなく,総額,すなわち10割の治療費のことです。つまり,健康保険を使って治療費総額の3割分の治療費を支払ったら,治療費総額の4割分が給付されるということです。実負担額よりも1割プラスになっているのは,「療養に伴って要する費用」が1割分として加算されるためです。

なお,自治体によっては,子ども医療費助成制度があり,一定年齢以下の子どもが受診をした場合,病院で治療費の支払が必要ない場合もあります。この場合でも,「療養に伴って要する費用」として,治療費総額の1割の給付金を受けることができます。

ただし、治療費については,一旦病院で立替払いをする必要があり,後日,給付金の申請を別に行う必要があります。なお,給付を受ける権利は診療月ごとに2年で時効となってしまいますので,ご注意ください。申請から給付金の支払いまでには3か月程度の時間がかかります。また,治療費の支払い対象となるのは健康保険が適用される範囲に限られます。

また,残念ながら怪我によって後遺障害が残ってしまった場合や,死亡した場合にも,一定の災害見舞金の支払を受けることができます。しかし,その支払金額は十分でないといえるでしょう。

それではA君が十分な賠償を受けるにはどのようにしたら良いでしょうか。次回以降ご説明いたします。

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